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稲とお米の分類

稲の種


 世界中でイネ目イネ科イネ属に属している植物は23種類ありますが、その殆どは野生種で栽培されているのは、アジア稲(Oryzasativa:オリザサティバ)とアフリカ稲(Oryzaglaberrima:オリザグラベリア)です。

アジア稲

(Oryza sativa:オリザサティバ)

 アジアに起源を持つ稲作地帯全域で栽培されている種で、耐冷性の高いジャポニカ種(日本型)と耐冷性の低いインディカ種(インド型)があります。

アフリカ稲

(Oryza glaberrima:オリザグラベリア)

 アフリカの栽培イネの起源はニジェール川の三角州地帯にあり、中心地域はニジェール川上流の泥沢盆地とギニア海岸付近のニジェール川北西部にあり、野生稲から栽培化された種で、約2000〜3500年前に栽培化が始まったと考えられています。

稲の亜種

 ジャポニカ種
(日本型短粒種)
 丸みを帯び炊いた時に粘りのある短粒米で、北東アジアの温帯〜亜熱帯の地域で栽培されている耐冷性の高い種です。温帯日本型と熱帯日本型(ジャバニカ種)があり、温帯日本型は主に日本や中国の遼寧省で栽培され、熱帯日本型(ジャバニカ種)は中国南部などで栽培されています。

インディカ種

(インド型長粒種)

 細長く炊いた時に粘りが少ない長粒米で、世界的に多く生産されている種中国南部や台湾南部から東南アジア、インド、スリランカなど熱帯〜亜熱帯の地域で栽培されている耐冷性の低い種です。

圃場(作物を栽培する田畑)による分類

 

水 稲

(すいとう)

 

 水田(水を引き入れた田)で栽培する稲で、育てた苗を水田に植える移植栽培と水田に直接種を蒔く直播栽培があります。

 

陸 稲

(りくとう、おかぼ)

 

 畑で栽培する稲で、日本では東北以南の各地で栽培されていましたが、治水が進み品種改良されるにつれて殆どが水稲に変わり、現在では茨城県や栃木県で多く栽培されています。陸稲は畑で作るため生育は降水量に影響され、収量にも大きく関わります。また、水稲に比べて肥料の量が倍以上必要となります。

国内の一般的な品種

粳米

(うるちまい)

 飛鳥・奈良時代には既に栽培されていたとされ、平安時代には数種の品種も成立していた米飯用として使われる普通のお米です。米飯以外にも味噌や酒、お菓子の原料などとしても利用されています。

糯米

(もちごめ、もちまい)

 デンプン成分の約80%アミロペクチンで、アミロースを全く或いは殆ど含まない粘り気が強いお餅や強飯に使われるお米です。

酒米

(さかまい、さかごめ)

 酒造米とも言い清酒の原料とするお米です。一般的なお米と比較して米粒が大きく、中心にある白色不透明な心白と呼ばれるタンパク質の含有量が少ない部分が大きいお米が好まれます。代表的な酒米には、「山田錦」「五百万石」「美山錦」「出羽燦々」「雄町」などがあります。

観賞用米

 観賞用の稲は、お米を収穫する事を目的とした稲ではなく、色鮮やかに染まった葉や穂を観賞して楽しむ為の稲です。切り花やドライフラワー、田んほ?アートとして利用されています。代表的な観賞用米には、「ゆきあそび」「べにあそび」「あかねあそび」 「赤穂波」「紫穂波」「白穂波」などがあります。

その他のお米

 

香り米

 

 玄米に香りを持つ炊くとよい香りがするお米で、普通のお米に1割程度交ぜて炊くとポップコーンのような香ばしい香りがします。インドやパキスタンの「バスマティ」、タイの「カーオ・ホーム・マリ」が有名ですが、日本でも高知県で香り米の多くが生産されています。

 

古代米

 

 古代から栽培していた稲の原種である野生稲の形質を残した稲の事だと考えられますが、糠の部分に、紫黒色の色素であるアントシアニンを持つ「黒米」や赤い色素であるタンニンを持つ「赤米」、緑の色素であるクロロフィルを含んでいる「緑米」を指す事もあり、古代米に属する品種の範囲は明確ではありません。

 

黒 米

 

 くろまい、くろごめ、又は紫黒米、紫米とも呼ばれ、糠の部分に紫黒色の色素であるアントシアニンを持つ品種で、東南アジアで生産されています。

 

赤 米

 

 あかごめ、あかまいと呼ばれ、糠の部分に、赤い色素であるタンニンを持つ玄品種で、野生の稲の殆どが赤米です。

 

緑 米

 

 糠の部分に、紫黒色の色素であるアントシアニンを持つ品種で、赤米や黒米と同様に縄文時代に中国から伝わったと言われています。亜鉛やマグネシウム、食物繊維を豊富に含む全国でも生産量が少ない貴重種の糯米です。

お米の加工による分類

精白等の加工による分類。玄米及び精米品質表示基準では、玄米、精米、胚芽精米に分けられています。

 

玄米

 稲にある籾から籾殻を取り除いた精米する前の状態のお米です。糠に覆われた淡褐色で、この糠層に発芽に必要なビタミン類やミネラル・食物繊維など豊富に含んでおり栄養価に優れています。発芽させてない玄米には、我々人間の細胞内のミトコンドリアに対して悪影響を及ぼす植物の発芽を調節する植物ホルモンの一種で発芽抑制因子のアブシジン酸(ABA)が含まれています。この玄米の毒性(アブシジン酸)は、時折水を変えながら長時間(夏場は12〜24時間、冬場は24〜36時間位)浸水し発芽させると抜けます。

 

発芽玄米

玄米を僅かに発芽させ玄米の毒性(アブシジン酸)を抜いたお米です。市販されている発芽玄米は、工場で人工的に発芽させ乾燥させた白米と比較して栄養価が高い玄米を食べやすく加工した製品です。

 

分搗き米

 白米は玄米の一割程度を削り十分づきとしますが、玄米を白米ほど削らずどの程度削るかを表したお米の事です。白米を10分の精米率として、玄米から何割精米するかで、数字が大きいほど白米に近く、小さいほど玄米に近いお米です。

 

胚芽精米(胚芽米)

 玄米から糠層のみを取り去って米種子の胚芽を残す特別な精米方法で精白した米です。お米の栄養が一杯詰まった胚芽(先の欠けた部分についている小さな黄色い粒)が残っているため、白米からでは多くを摂取できない栄養素が含まれています。

 

白米(精白米、精米)

白米は玄米から胚芽と糠層の一割程度を削り十分づきとした日本で最も食べられているお米です。

 

無洗米

 精白した白米の表面に付着している糠の粉を取り去った炊飯前にお米を研ぐ必要が無いお米です。

 

早炊き米

 別名「アルファ米」とも呼ばれ、さつまいもから作った発酵酸味液に漬けて加熱殺菌している普通のお米より早く炊き上がるお米です。