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有色米とは

有色米は、私たちの祖先が栽培していた、いわば古代の稲の品種が持っていた特色を色濃く残した稲の事だと考えられ、古代米と呼ばれる事もあります。お米の糠の部分に濃い紫色や赤い色が付いたお米の事で、濃い紫色のお米は「黒米」や「紫黒米」、赤い色の付いたお米は「赤米」と呼ばれたりします。有色米の色素成分は、糠層(表層10%)に分布するので、精米すると白米となります。

 

Oryza sativa subsp. javanica(出典:Wikipedia)

 

紫黒米・・・日本への来歴は不明ですが、中国やネパールなどでの栽培や利用が確認されており、インドネシアのバリ島では信仰の面で重用されているとの報告があります。中国では不老長寿の米として歴代の皇帝に献上されたことから「貢珍米」として喜ばれていました。また、薬膳料理や漢方薬にも用いられることから「薬米」の別名もあります。玄米の色が黒色で、果皮、種皮の部分にポリフェノールの一種である色素アントシアンを含んだ米で、米粒の形はインディカ種(長粒)が多く殆どが糯米です。白米に比べて、たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。紫黒米はおはぎの起源で古くからお祝いの米として珍重されてきたという説があります。

 

Red Rice Paddy field in Japan(出典:Wikipedia)

 

赤米・・・縄文時代に日本に初めて伝わった米はジャポニカ種(短粒)の赤米だったと考えられており、野生稲の大部分が赤米である事から、米のルーツであると考えられています。また、赤飯の起源とも考えられています。赤米は、果皮、種皮の部分にタンニン系色素を含んだ赤褐色の米で、白米に比べてタンパク質や各種のビタミン、ミネラルが多く含まれています。

 

Green rice(出典:Wikipedia)

 

 

緑米・・・日本には縄文時代に伝わったとされているネパールやラオスなどのアジアの国々で多く栽培されているお米で、亜鉛やマグネシウム、食物繊維が豊富に含まれています。日本で流通しているのは糯種で、普通の餅米より粘りが強く甘味があります。

有色米の種類

あかおにもち(岡山赤糯61号)

 岡山県総社市新本の本庄地区と新庄地区で代々栽培されている在来種の「総社赤米」の遺伝子を受け継ぐ赤米です。昭和62年に岡山県立農業試験場(現岡山県農業総合センター農業試験場)で、「サイワイモチ」と「総社赤米」を交配し育成した赤米品種です。

 

赤むすび(富山赤71号)

 従来の赤米より色艶が良く粘りのあるコシヒカリの特徴を受け継いだ食味の良いお米です。平成15年に富山県農業技術センター農業試験場(現富山県農林水産総合技術センター農業研究所)で、「インド原産の赤米(カサラス:Kasalath)」と「コシヒカリ」を交配し育成した赤米品種です。

 

朝紫(奥羽糯349号)(水稲農林糯349号)

 小粒の餅米で、粘りが強く赤飯やおにぎり、おはぎやちまき等の赤飯加工品として使われるのが一般的です。昭和59年に農林水産省熱帯農業研究センター沖縄支所(現国際農林水産業研究センター)で、「BP-1(インドネシアのバリ島在来種の紫黒米)」と「タツミモチ」を交配し、昭和60年に宮城県古川農業試験場に交配種子が分譲され、「奥羽331号(ふくひびき)」と「F6東糯396」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

あわみのり(北陸159号)(水稲農林357号)

 粒は小粒で、香りが高く噛むとふっくらもちもちとした甘くて美味しいお米です。農家の自宅用や縁故米用として栽培される事が多く余り市場に出回らないお米です。 昭和60年に農林水産省北陸農業試験場(現農研機構中央農業研究センター北陸研究センター)で、「北陸122号(キヌヒカリ)」と「北陸132号」を交配し育成した赤米品種です。

 

おくのむらさき(奥羽368号)(水稲農林367号)

 やや大粒で多収の水稲紫黒米粳品種です。平成2年に農林水産省東北農業試験場(現農研機構東北農業研究センター)で、「フクイビキ(奥羽331号)」」と「東北糯149号」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

きたのむらさき

 昭和63年に拓殖大学北海道短期大学で、「たんねもち」と「Hung-tsan(フィリピンの国際稲研究所から入手した200種あまりの黒米(インディカ系)の中から見つけ出した北海道の日照時間でも栽培できるもの)」を交配し育成した民間黒米品種です。

 

黒むすび(富山黒75号)

 粘りと光沢がある食味のよい黒米です。平成13年に富山県農林水産総合技術センター農業研究所で、「コシヒカリ」と「紅血糯(中国在来種の黒米糯品種)」を交配し育成した黒米品種です。

 

佐賀40号

 炊き上がりの粘りが強く柔らかい良食味の紫黒米です。佐賀県農業試験研究センターで紫黒米系統の「関東 198 号」と低アミロース系統の「さ系D387」を交配し育成した国内初の低アミロース黒米品種です。

 

さつま赤もち

 平成13年に鹿児島県農業開発総合センター園芸作物部作物研究室で、「ベニロマン/鹿児島糯9号*F2」と「さつま白もち」を交配し育成した赤米品種です。

 

さつま黒もち(鹿児島黒糯38号)

 平成14年に鹿児島県農業開発総合センター園芸作物部作物研究室で、中国由来の長粒種紫黒糯系統「関東糯182号」と「KG糯232」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

滋賀赤72号

 平成11年に滋賀県農業技術振興センター栽培研究部で、粳性の赤米品種「ベニロマン」と「ゆめおうみ」を交配し育成した赤米品種です。

 

滋賀紫糯70号

 平成11年に滋賀県農業技術振興センター栽培研究部で、糯性の紫黒米品種「朝紫」と「ゆめおうみ」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

滋賀紫糯71号

 平成11年に滋賀県農業技術振興センター栽培研究部で、糯性の紫黒米品種「朝紫」と「ゆめおうみ」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

紫宝

 大粒で多品種に比べ甘みが強く酸味が少ない深い黒紫色のお米です。平成5年に新潟県農業試験場(現新潟県農業総合研究所作物研究センター)で、「奥羽糯349号(朝紫)」と「わたぼうし」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

つくし赤糯22号(つくし赤もち)

 芒が赤褐色で観賞用にも向いている赤米です。平成7年に福岡県農業総合試験場で、赤米粳品種「対馬在来」と「サイワイモチ(西海糯159号)」を交配し育成した赤米品種です。

対馬赤米

 長崎県対馬市の多久頭魂神社の寺田と呼ばれる水田で栽培されている神事に用いられる赤米品種です。

 

ひむか赤のげ

 平成9年に宮崎県総合農業試験場で、「FL175」と「ちくし赤糯22号(つくし赤もち)」を交配し育成した赤米品種です。

 

紅香

 微かな香りを持つ赤米です。平成13年に新潟県農業総合研究所で、「新潟糯31号/東北144号」と「新潟糯31号/篠ノ井」を交配し育成した赤米品種です。

 

紅衣(奥羽赤370号)(水稲農林384号)

 平成3年に農林水産省東北農業試験場(現農研機構東北農業研究センター)で、「奥羽331号(ふくひびき)」と「A5(赤室,赤米粳)/奥羽331号(ふくひびき)」を交配し育成した赤米品種です。

 

紅更紗

 平成13年に新潟県農業総合研究所で、「新潟糯31号/東北144号」と「新潟糯31号/篠ノ井」を交配し育成した赤米品種です。

 

紅染めもち(西海糯243号)(水稲農林糯395号)

 平成4年に農林水産省九州農業試験場(現農研機構九州沖縄農業研究センター)で、「は系赤124(ベニロマン)」と「西海糯197号(ひみこもち)」を交配し育成した赤米品種です。

 

ベニロマン(西海209号)( 水稲農林348号)

 昭和62年に農林水産省九州農業試験場(現農研機構九州沖縄農業研究センター)で、在来種の「対馬赤米」と「南海97号」を交配し育成した赤米品種です。

 

紫こぼし(奥羽紫糯389号)

 プチプチとした特徴的な食感がある玄米が極めて小さい紫黒米です。平成10年に農林水産省東北農業試験場(現農研機構東北農業研究センター)で、「朝紫(奥羽糯349号)」と「関東195号」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

むらさきの舞(兵系紫51号)

 平成11年に兵庫県中央農業技術センター(現兵庫県立農林水産技術総合センター)で、「イシカリ(道北1号)」と「Pup-a,b」を交配し育成したインドネシアバリ島在来の紫黒米に由来する紫黒米粳品種です。

 

芽生さくらむらさき

 アントシアニン系の色素が「きたのむらさき」の数倍豊富に含まれています。平成16に拓殖大学北海道短期大学で、北海道で唯一栽培されている黒米「きたのむらさき」から発見された突然変異体を育成した品種です。

 

弥生紫

 黒米の中でも大変食べやすい柔らかで甘味があるもっちりとしたお米です。徳島県阿南市那賀川町地域で代々栽培している1300年の歴史がある奈良平城京へ献上した伝統の黒米です。

 

柔小町(西海215号)

 昭和63年に農林水産省九州農業試験場(現農研機構九州沖縄農業研究センター)で、「探系2021(金南風MNU処理による突然変異)」と「ニシホマレ(南海65号)」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

夕やけもち(奥羽赤糯388号)(水稲農林糯417号)

 東北地域向けに開発された赤糯系統のお米です。平成10年に農林水産省東北農業試験場(現農研機構東北農業研究センター)で、「たつこもち(秋田糯45号)」と「羽系586(紅衣)」を交配し育成した赤米品種です。

 

ゆかりの舞(兵系紫75号)

 昭和62年に兵庫県立農林水産技術総合センター農業技術センターで、紫黒米系統の「育253-10(むらさきの舞)」と「兵系カ43号」を交配し育成した紫黒米品種です。

 

ゆきあそび(青系観175号)

 田んぼアートなどに使われている葉色が白い観賞用の稲です。平成12年に青森県産業技術センターで、「ゆめあかり」と「合系8号/ゆめあかり*F2」を交配し育成した紫黒米品種です。